噂で聞いたワクチン情報は、
本当に正しいものですか?

専門医が監修し発信するQ&Aで疑問を解決しましょう。ここのQ&Aでは0〜5歳の乳幼児が接種するワクチンについての質問を受け付けています。該当する答えが見つからない場合は質問箱から訊いてみてください。

こどもワクチンQ&A

予防接種の基本について

Q1.自分が受けていない予防接種があるけど、大人になった今からでも受けた方がいい?
今からでも受けておいた方が良いものもあります。特に海外旅行をする前には必要なものもあります。日本ではほぼ発症していなくても、海外でかかった人が持ち込む可能性があります。その時、予防接種をしていないと感染症は広がってしまいます。自分が何の予防接種を受けたか、母子手帳などで確認しましょう。 昔のように幼稚園や学校で一斉に予防接種してくれないのでしょうか? 体調が悪い子や持病がある子も十分な問診もなく予防接種を受けてしまう可能性があります。かかりつけ医にお子さんの体調を見てもらいながら接種する方が安心です。
Q2.予防接種は全部受けた方がいいですか?
毎年制度が変わり、種類も増えていく予防接種ですが、同時接種などで打つ回数を少なくできるよう赤ちゃんやお母さんの負担を減らすよう毎年制度を見直しています。 将来を担う子どもたちを感染症から守るためにも、今受けられる予防接種は受けておいた方が良いでしょう。
Q3.同時接種は体に負担はないのですか?
一度にいくつものワクチンを接種することで多くの痛みを経験することになりますが、効果が変わったり、副反応が起こる頻度が上がったりすることはありません。早い時期にそれぞれの感染症にかかるリスクが減り、こどもやママたちの時間的な負担が少なくて済むなどのメリットがあります。
Q4.同時接種とはどういうものですか?
お母さんのお腹の中にいた頃はお母さんの免疫で守られていましたが、生後6ヶ月からはその免疫がなくなってしまいます。乳幼児がかかりやすい病気は数多くありますが、免疫がなくなる頃にかかりやすい感染症から守るため、3種、4種のワクチンの接種が必要になります。ですが、その都度予防接種を受けるのは赤ちゃんにとっても負担ですし、嫌なものです。それを同時接種という形で済ませる方法を勧めています。
Q5.有害事象ってなんですか?
有害事象とはワクチンを接種した後に起こった好ましくない健康上の問題をさします。合併症や副反応も有害事象に含まれます。
Q6.一度接種が中止されたワクチンがまた再開されたりしているのはなぜ?
ワクチンの接種後、死亡事例が複数報告された場合は一時的に使用を見合わせることがあります。その後専門家が有害事象として報告された死亡事例とワクチンとの因果関係を調査します。結果ワクチン接種が原因ではなかったと評価された場合、安全上の心配はないと判断され、使用が再開されます。
Q7.定期接種と任意接種の違いを教えてください。
いずれも病気を予防するために必要なワクチンで、国が認めたものです。 定期接種は国が制度的に取り入れたもので、年齢や接種時期などが決められています。 任意接種は制度上の範囲のものではありません。 それは日本でその病気が現在どのくらい流行っているか、世界の子どもたちでは大丈夫でも日本のこどもたちにも大丈夫かを確認している状態のワクチンだからです。 任意も定期も制度上分類されていますが、いずれも病気予防に必要なものに違いありません。
Q8.予防接種を受けていないものがあるけど、時期がずれたら効果はない?
いつ打っても効果は変わりありません。例えばワクチンが不足し、定期接種を受けられなかった方がいても保健所などに相談してみてください。
Q9.複数受けなくてはいけない予防接種、1回忘れたけど大丈夫?
追加接種を忘れるとこれまでに接種してきた免疫力が十分に定着しないことがあります。子どもが大きくなると追加接種のことは忘れがちになりますが、予防接種のスケジューラ機能を持ったアプリなどで通知してくれるものがあります。 おおいに活用して予防接種の効果を半減させないようにしましょう。
Q10.何度も受けないといけない予防接種があるのは何故ですか?
予防接種は「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類に大きく分かれています。「生ワクチン」は力の弱いウイルスを体内に接種しますが、体内で増えていくことでその病気に対しての免疫力がついていきます。 「不活化ワクチン」はウイルスの成分を接種するだけなので、体内でウイルスは増えません。そのため十分な免疫力を作るためには数回接種する必要があります。
Q11.予防接種でよく聞く、「免疫」って何ですか?
体内にウイルスが侵入しても、それに細胞が抵抗して発病を抑える力を持つことを免疫といいます。体内に異物がはいっていないかを確認する細胞(樹状細胞・マクロファージ・NK細胞)が複数あります。(Aチームとしましょう)これらが異物を見つけると警報を鳴らし、攻撃をしかけます。またその異物の情報を、今度はヘルパーT細胞・B細胞・キラーT細胞からなる「獲得チーム」(Bチーム)に引き継がれます。 Bチームはその異物の情報を元に攻撃力を上げるのです。またBチームは記憶力がいいので、再び異物が侵入した場合はすぐに見つけて攻撃し撃退する役目を負っています。
Q12.自然感染で免疫をつけて自然治癒すればいいのでは?
ワクチンの方が強力な免疫をつけるものがあります。自己免疫力の低い子どもに対して自然感染で自然治癒を望み、ワクチン接種をしないということは危険な行為です。
Q13.ワクチンなんか効かないのでは?
予防効果がわかりにくいだけです。やるとやらないでは大きく違います。 実際に発症した時に重症化するリスクを減らすために行うものです。
Q14.予防接種ってそもそも本当に必要ですか?
必要です。 病気が流行していないのは、ワクチンを接種しているおかげです。予防接種率が低下すれば、治っていた病気の流行が新たに起こります。また日本からなくなった病気でも、旅行者や移民によって持ち込まれることがあります。 油断することなく、受けることができるワクチンはしっかり受けておきましょう。