こどものワクチンの知識を
高めましょう

専門医監修によるこどもワクチンの基礎知識をまとめたものです。感染ルートや症状、乳幼児が感染した場合にどうなるか、副反応はどうなのかなどをわかりやすく解説しています。

こどもワクチンの
基礎知識

水痘(みずぼうそう)

水痘(みずぼうそう)

1歳の誕生日を迎えたら接種できます。1回目の接種後3ヵ月たったら2回目を接種するのがおすすめです。

水痘は水痘帯状疱疹ウイルスによってひきおこされる感染力の強い病気で、5歳までに約80%の子どもがかかると言われています。
発疹、発熱を主な症状とし特徴的な発疹が、顔面、胸腹部、頭部に次々に点々とあるいは集中的に現れ、丘疹、水疱、膿疱、痂皮になります。
一般に水疱の数は症状がでてから数日内に250~500個以上に達します。また、水疱は二次感染をおこすことがあり、その場合は痕が長期間残ることがあります。
発熱の程度は発疹の数に比例し、通常38度前後の熱が2~3日間続きます。重症化すると発疹の数が増え、熱は40度を超えることもあります。

まれに肺炎、肝炎、心膜炎、小脳炎、血小板減少性紫斑病などが合併症として現れ、特に悪性腫瘍や白血病、ネフローゼの治療中に水痘にかかると免疫力が弱っているため、重症化したり命に関わることがあります。
妊娠初期の妊婦が水痘にかかった場合、先天性水痘症候群の子どもを出産する可能性が高いといわれています。
また治癒後、水痘帯状疱疹ウイルスが体内の神経に長く潜伏感染し、加齢などの原因により免疫力が低下した場合、帯状疱疹を発症することがあります。

毎年少なくない数の子どもが重症になり10名以上が死亡しています。
麻しん(はしか)と同様に空気感染もあり、どこで感染するか不明です。
米国では定期接種で2回受けますが、日本では任意接種で接種費用が自己負担のため接種率が40%と低く、毎年100万人くらいがかかっています。
みずぼうそうは生後すぐにかかることがありますが、とくに多いのは生後6ヵ月から4歳頃で、保育園でかかることも多い感染症です。