こどものワクチンの知識を
高めましょう

専門医監修によるこどもワクチンの基礎知識をまとめたものです。感染ルートや症状、乳幼児が感染した場合にどうなるか、副反応はどうなのかなどをわかりやすく解説しています。

こどもワクチンの
基礎知識

B型肝炎

B型肝炎

B型肝炎の場合は1回目から4週間後に2回目、そして1回目から24週間(約5~6ヵ月)の間隔をあけて3回目を接種します。

妊婦がキャリアの場合(HBs抗原陽性)には母子感染防止の目的で健康保険による接種が施行されます。
分娩直後にHBグロブリン、生後2ヶ月目にHBグロブリンとB型肝炎ワクチン。
3ヵ月、5ヵ月に2、3回目のB型肝炎ワクチンを接種して母親からの感染を防止します。
B型肝炎を予防するということは、肝臓がんを予防することにもなります。
B型肝炎は世界初のがん予防ワクチンともいえます。

B型肝炎は母子感染や水平感染だけではなく、知らない間にかかることも多いので、WHO(世界保健機関)では、世界中の子どもたちに対して生後すぐに国の定期接種として接種するように指示しており、世界の多くではWHOの指示通りに定期接種になっていて、生まれて1週間以内に産科施設で1回目を接種し、2ヵ月頃に2回目、6~12ヵ月頃に3回目を接種します。

肝炎にはA型肝炎とB型肝炎があります。

B型肝炎は、B型肝炎ウイルスは、体に入ると肝炎をおこし、長く肝臓にすみついて慢性化・キャリア化し、肝硬変や肝臓がんをおこします。
非常に感染力が強いウイルスで、国内でも毎年約2万人がかかっています。
感染経路はB型肝炎を持った母親からの分娩時に子どもに感染する「母子感染」、父親や家族や友人、ウイルスに汚染された血液の輸血や性行為などでの感染する「水平感染」が知られていますが、日本では母子感染防止の目的で、生後B型肝炎ワクチンと抗HBs人免疫グロブリン(HBグロブリン)を投与することで新生児への感染を防ぐことができるので、この成果が実りつつあり、ウイルスキャリアが減少したのですが、今度はキャリアの父親から感染する「父子感染」や集団保育での感染が問題視されています。

最近では、3歳以上で感染しても慢性化(キャリア化)しやすい遺伝子型AというタイプのB型肝炎が日本でも広がっており、知らない間にキャリアになった家族などから子どもへの感染も増えており、以前はB型の急性肝炎になっても治癒したらそれで完治と考えられていましたが、B型肝炎ウイルスの遺伝子は肝臓内に一生残っていて、抗がん剤治療などで免疫力が低下すると重症の肝炎を発症することがわかってきました。